日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会

3 心臓サルコイドーシスの診断の手引き


表3 心臓サルコイドーシスの診断の手引き


(1) 組織診断群

     心内膜心筋生検あるいは手術によって心筋内に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫 が病理組織学的に認められる場合。


(2) 臨床診断群

     心臓以外の臓器で病理組織学的にサルコイドーシスと診断しえた症例に  項目(a)と項目(b)〜(e)の1項以上を認める場合。
    (a) 心電図ないし、ホルター心電図で右脚ブロック、左軸偏位、房室ブロック 、心室頻拍、心室性期外収縮(*Lown 2度以上)、異常Q波、ST-T変化のいずれかが 認められる。
    (b) 心エコー図にて左室壁運動異常、局所的な壁菲薄化あるいは肥厚、左室腔 拡大が認められる。
    (c) 201TI-CIシンチグラムで灌流欠損、あるいは67Ga-citrateシンチグラムや 99mTc-PYPシンチグラムでの異常集積など心臓核医学検査に異常が認められる。
    (d) 心臓カテーテル検査における心内圧異常、心拍出量低下、左室造影における 壁運動異常や駆出率低下が認められる。
    (e) 心内膜心筋生検で非特異的病変ではあるが、有意な中等度以上の間質線維 化や細胞浸潤などの病理組織所見が認められる。
付記1 完全房室ブロック、心室頻拍、経過視察中に出現してきた右脚ブロック や心室性期外収縮(*Lown 2度以上)は特に頻度の高い心電図変化であり、 (b) 〜(e)を認めなくても心臓サルコイドーシスを考えて対処してよい。
2 虚血性心疾患と鑑別が必要な場合は、冠状動脈造影を施行する。
3 副腎皮質ホルモン投与によって上記所見の改善をみた場合は心臓サルコイドーシスの可能性が高くなる。
  *Lown分類
0: 心室性期外収縮なし
1: 散発する単一の心室性期外収縮
2: 頻発する心室性期外収縮(毎分1個あるいは毎時30個以上)
3: 多形性心室期外収縮
4: 反復性心室性期外収縮(A:2連発,B:3連発以上)
5: 早期性心室性期外収縮(R on T)
(Lown B,Wolf M : Approaches to sudden death from coronary heart disease. Circulation 44:130,1971)